テーマ76 部下の “やる気、意欲、熱意” は育てるもの
■部下の環境を整えるという意味
管理職の方は、部下の方の状況について、
「ここまで、環境を整えて上げているのにできない。
やろうとしない。あとは、自分から行うのを待つしかない。」
という発言を致します。
例えば、管理職の方が、自分の部下の状況に関しまして、
次のようなお話をしたとします。
「パソコンにソフトが入っているのに使ってみようとしない。」
「たぶん、マニュアルをみるのが苦手か、
使用しなくても何とかなるからではないでしょうかね。
自分からソフトを使ってみようと思うのを待つしかないですかね。」
このような場合、会社としては、
仕事の生産性向上やお客様のサービス向上のため
是非ソフトを使用してほしい。
自分自身の能力向上のためにソフトを使えるようになってほしい。
と思って、高価なソフトを導入している訳です。
管理職者としては、パソコンにソフトを入れ、
それを使用するかしないかを、
部下の方のモチベーションに任せるだけではダメな状況です。
このような状況の時は、管理職者の方は、下記のように、
さらに突っ込んだ施策を講じる必要があります。
・ソフトの使い方に関する研修の場を設ける。
・部下の机の横に座って、一緒に使用してみる。
・教育の一環として、ソフトを使用しないとできないような仕事を与える。
ここまで、環境を整えて、そして本人が実際に行った際は、
よくできましたと一声、声をかけ、ほめてあげることが必要です。
部下の方は自分とは違います。
自分なら、ここまで上司がやってくれなくても行うのにということで、
部下が行うのを待っていても、いつまでも状況は改善されません。
■「意欲、やる気、熱意」は自然には沸かない
「意欲、やる気、熱意」というのは、
待っていると自然に沸いてくるものではありません。
「意欲、やる気、熱意」というのは、
「目標へ取り組む実際の行動、努力、アイディ、
ひらめき、将来への展望などにより育てていくもの」です。
皆様方も、今ままでの経験の中で、
実際に自らつくった目標にチャレンジしてみたり、
実際に部下の方の育成を行ったりすることにより、
それまでとは異なる感情が沸いてきたことがあるかと思います。
「意欲、やる気、熱意」など、
このような言葉で表現するような、大それたものではなく、
「ほんの些細なこころの変化」が重要です。
その「些細なこころの変化を積み重ねる」
ということが、育てるということになります。
部下の方に対し、やる気を持ってもらうためには、
上司である皆様方が、
部下のやる気が起きるのを待っているのではなく、
部下の方の将来を考えて、
仕事の目標を与え行わせること、
勉強を行わせることが必要です。
最初は、部下の方は、皆様方から言われたことなので、
しかたがなく行ったとしても、
実際に行うことによって、こころが変化し、
意欲とかやる気がでてくるはずです。
部下を持つ皆様方は、部下を育成するという役割があります。
部下の方の将来を思うなら、やはり、
適切な目標を与え、納得してもらい、行ってもらい、
そして行った結果に対してほめてあげることが大切です。
これにより、部下の方のやる気を育成することができます。
皆様方は、管理職者ですので、
「意欲、やる気、熱意」は、自分で育てなければなりません。
■「やる気、意欲、執念」を育てるには、
長所、得意なことを伸ばすのが近道
部下育成の基本は、
部下の短所は上司がフォローし、長所を伸ばすです。
前述致しました、部下の環境を整えるのは、
部下の方の短所をフォローする意味合いがあります。
部下の長所、得意分野をみつけ伸ばすような、
仕事の指示を行うと、部下の短所をフォローするような、
環境を整えなくとも部下の方は、
やる気を持って、意欲的に取組むはずです。
一人ひとりの部下の方の長所、短所をよく把握し、
部下の方への仕事の与え方や
仕事を行う環境を整えて上げることが必要です。
|